出会う

気になる人に会いに行ってきました

工人船工房

下澤豊・下澤海|長野県

2024年|その他

エリアE|ブースNo. E23

先ずは竹林へ竹を取りに行く。
いくつもの工程を経て完成する作品は、
強く、とても美しい。

長野下伊那市喬木村にある工房兼住居は、昔話に出てくるような山間にある。
現在は豊さんと息子さんの海さんと、2人で製作をしている。
決して広くはない作業スペースには、豊さんの考えたオリジナルの道具が並ぶ。

大学入学を目指し浪人中だった豊さん。この先どうしようかと考えているところに、友人から、訓練校に都合悪くて行けなくなったから代わりに行ってくれないかと声を掛けられた。
そんなふとしたきっかけから、今までは触れたこともなかった竹細工の世界へ進んだ。

訓練校で1年、竹細工を生業に11年大分県で過ごし、長野へ帰郷。
一度は会社勤めをしたが「営業をやっている時は、自分に自信が持てなくつまずいた。力量を発揮できるのは自分だったらやっぱり竹細工だな。」と40歳の時に竹細工を再開する。

工人船工房の作品に使われている材料である竹は、竹の休む11月~12月に竹林へ取りに行くところから始まり、豊さんの設計した大きな釜で煮る。およそ1年分の材料が出来る。
「材料作りに7割。他に3割くらいかな。」
取り、煮て、乾燥させ、切り、色分け、角を取り、厚みを揃え…
いくつもの工程を経て、やっと編み始めることができる。
どれも繊細で気の抜けない作業が続く。

「作っている時は、楽しさはない。それよりも責任感、緊張感が勝ります。」
「出来上がったときは、ホッとします。」と話す海さんの横で、大きく頷くお父さん。
素材を大切に思い集中して丁寧に作業を進める。そうしてやっと一つの作品が出来上がる。
本当なら完成品を販売したいが、現在は予約制で、1年以内にお客さまの元へ届くよう息子さんと共に製作をしている。
昨年末、初めて工人船工房のザルで年越しそばを食べたが、格段に美味しかった!

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